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「特殊詐欺」次はあなたがターゲットはこちら
目次
「特殊詐欺」次はあなたがターゲットはこちら
まえがき
この本を手にとっていただきありがとうございます。
あなたも、「警察からの確認です」や、「市役所からの還付金」と「カードをだまし取る」詐欺が増えていますご注意くださいと、駅構内で毎日のように警察の広報が呼びかけをしているのを耳にすることが多いと思います。
この本は被害に会わないように「何をどうすれば未然に防げるか」その対策と方法について書いています。
「振り込め詐欺」がニュースに出るようになったのは2003年5月ごろからです。その後だんだん手口や、やり方が大きく変って来て今の「特殊詐欺」までと続いてきているのです。
筆者がこの本を書くことになったのは千葉県在住の私の義理の姉80才が息子を名乗る男から100万円の詐欺被害にあってしまったことからです。
声が違うのでどうしたと聞くと風邪をひいてこれから医者に行くと言われて信じ込んだのです。
警察に届けてもそのお金は戻ってきません。
これで終わらず他にもあると、電話が何度もかかってきてストレス障害になってしまいました。
あなたも「オレオレ詐欺」や「特殊詐欺」の被害に会わないためにぜひ最後まで読んでください。
そして普段から家族で合い言葉を決めて被害にあわないための対策を立ててください。
これまでコツコツ貯めてきた大事なお金です。
大切な財産をだまし取られないようにしっかりと守りましょう。
第三章では実際に振り込め詐欺被害にあわれた方の悲痛な体験記事を書いています。
あなたも、次の被害者にならないために、未然に防げる「特殊詐欺撃退機器」を取付ける事をお勧めします。
そして一人でも多くの方が「詐欺」を未然に防ぐことができれば著者としてこの上ない喜びです。
「特殊詐欺」次はあなたがターゲットはこちら
第一章
特殊詐欺の概略説明
犯人が電話を使って公共機関の者を名乗って電話口に出た人に一方的に話をして、相手を信じ込ませて指定した預金口座へ振り込ませる、不特定多数の者から現金やキャッシュカードをだまし取ること。
市役所の職員を名乗り医療費の還付金が受け取れるなどと言ってATMを操作させて犯人の口座に送金させる犯罪のことです。
【特殊詐欺】の主な6つの手口
①親族などを名乗り、カバンを置き忘れた。小切手が入っていた。お金が必要だと言って、現金をだまし取るやり方。
②警察官や銀行協会職員などを名乗り「あなたの口座が犯罪に利用されています。キャッシュカードの交換手続きが必要です」というやり方。
③「医療費などの過払い金があります。こちらで手続きをするのでカードを取りに行きます」などと言って、暗証番号を聞き出しキャッシュカードをだまし取るやり方。
④架空請求詐欺──消費料金や有料サイトなどで「未払い料金があります。今日中に払わなければ裁判になります」などとメールやハガキ、封書で知らせてお金をだまし取るやり方。
⑤還付金詐欺──医療費や税金、保険料などについて、「還付金があるので手続きしてください」などと言ってATMを操作させ、被害者の口座から犯人の口座に振り込ませるやり方。
⑥キャッシュカードをだまし取る──警察官などと偽って電話をかけて「キャッシュカード(銀行口座)が不正に利用されている」などとして、うその手続きを説明した上で、キャッシュカードをすり替えるなどして盗み取るやり方。
特殊詐欺に会わないために(見破る5つのポイント)
①自宅の固定電話は、ナンバーディスプレイ(相手の電話番号が出る)を非通知拒否に設定したほうが安全です。
②非通知で掛かってくる電話は、オレオレ詐欺の電話か、ろくでもない営業の電話と思った方がよいと思います。
③おかしいと思った電話は、必ず息子や孫に確認してください。もし本人が、電話に出なかったら会社に確認してください。
④お金に関する電話は、詐欺だと思ってください。まず落ち着いて相手の電話番号を聞く。
⑤普段から家族間で振り込め詐欺を話題にして、電話が来た時の合い言葉を決めるなど工夫してください。
以上のことを常に頭に入れておけば必ず見破ることが出来ると思います。
未然に防ぐために絶対まもる(6つのポイント)
①一人で判断や行動をしない。
②落した、無くした、お金、は怪しい電話です。
③今迄の電話番号で息子本人と必ず確認をとる。
④お金は、他人に絶対渡さない。
⑤違う声、次の電話までの間に警察に知らせる。
⑥今日中や、明日まで、または代わりのものが取りに行く、は疑ってください。一呼吸してあわてない事です。
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特殊詐欺撃退(12箇条)
①補助金で「サギ撃退機」を取付けることで100%撃退できます。(次の章で図解説明)「この電話は、振り込め詐欺などの犯罪防止のため会話内容が、自動録音されます」とメッセージが流れます。
②今使っている電話機が、相手の電話番号表示しない電話機なら、「電話番号を表示する電話機」に買い換える。
③電話番号を表示しない(非通知)電話には絶対出ない。
④非通知の電話は、振り込め詐欺や還付金詐欺等の怪しい電話と思って良い。
⑤私の家に連絡したいのなら、身分(電話番号)を明らかにしなさいと言う。
⑥市役所からの還付金手続き(入金を受けること)は、絶対、ATMではきないことを知っておく。
⑦皆さん、自分の家に還付金の詐欺グループから電話がかかってくることはないとは思わないで下さい。そうすれば還付金詐欺は必ず防げます!
⑧警察や市役所から電話があっても、金銭に係わることは簡単に信用しないこと。
⑨相手が言ってきたことに対して、本当の警察や市役所に必ず確認の電話を入れる。
⑩警察官や銀行協会を名乗る犯人の話は、本当に親切で何も疑いを持たせない言い方をしてきますが、実は極悪のグループであることを知っておく。
⑪息子からの電話でも、金銭に係わることは息子の今までの携帯電話に必ず電話をかけて確認する。
⑫私の家には、詐欺グループからの電話なんか来ないと思わない。いつか、電話がかかってくると思った方が良い。
警官名乗る詐欺急増
警官を名乗る詐欺、カード受け取り型
今までと違う電話が急増しています。
「情報流出」あおる電話自宅で暗証番号を聞き出す。
【キャッシュカード受け取り型の誘い文言の例】
①あなたの口座が詐欺事件に悪用されている。
②新しいキャッシュカードに変更するので取りに行く。
③あなたのキャッシュカードを預けてほしい。
④手続きに必要なので暗証番号をお教えてほしい。
詐欺の電話は非通知です。
その電話に出ることなく、自動的に止めるサービス、「振り込み詐欺見張り隊 新117」それが写真の機器です。次の二章で詳しく説明します。
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第二章
特殊詐欺撃退機器購入費の補助金を支給中
各自治体の取り組み方
先ずは都道府県の市役所へお問い合わせください。
千葉県浦安市では65歳以上の方を対象に1000円でオレオレ詐欺を未然に防ぐ機器を支給しております。
栃木県宇都宮市では65歳以上の方を対象に未然に防ぐ機器を購入代金の4分の3(上限1万円)まで支給しています。
【電話機に取り付けるだけで自動でサギを防ぐ機器】のご紹介
振り込み詐欺見張り隊 新117
配線図(振り込め詐欺見張隊 新117)
振り込み詐欺見張り隊 新117
電話にこれを付けて、止めることができました。
最初に「メッセージ」が流れます。
この電話は、振り込め詐欺などの犯罪防止のため会話内容が、自動録音されます。
悪意のある者はすぐ(ガチャン)と切ってしまいます。
電話の呼び出し音が1回なって切れますので今の電話は振り込め詐欺の電話とすぐわかります。
取り付け方法は誰でも簡単に取り付けることができます。
今使用している電話機に付属のモジュラーケーブル(1メートル)を説明図のように接続します。
①電話機が接続されている線を抜き、本装置の「回線」端子に接続します。
②本装置の「電話」端子と.電話機を接続します。
③電源ジャックに付属のACアダプタ(15V/400mA)を接続し、コンセントに差込みます。
④取扱説明書に詳しく接続する図面があり簡単なので図面を見て取付けてください。
非通知にだけメッセージが流れますので、今までの方には流れないようにできます。
マイクロSDカード(1〜32GB)まで対応していますので記録を残す事も出来ます。
録音可能時間1件あたり最大5時間です。
[大変だあ〜! ボタン]
登録できる電話番号は最大4件です。
(例)かかりつけ医院 子供さん110番 119番は
受話器を置いた状態でボタンを2秒長押し離すと、あらかじめ登録した電話番号に発信し「緊急事態発生」という音声を流します。
大きさは、(写真)手帳くらいのもの
外形寸法は 幅100ミリ 長さ150ミリ 厚さ34ミリととても小さいです。
価格は税込 12、900円(送料別)
筆者も自宅に早速取り付けてみました。(説明書を読んで取付けは約10分)
今までうるさく、かかってきた電話は付けたその日から、うそのように即静かになって、効果が出たことがはっきりとわかりました。
これはチョー優れものです。
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第三章
被害者の体験記事(1)
女性、81歳
「人生最悪」の一日でした。
午前10時ころ、自宅の電話がなりました。
いつもは相手の声を確認してから電話に出ていたのですが、その日は、旅行に行っていた息子家族が一週間ぶりに帰宅する予定だったので直ぐに受話器を取ってしまいました。
すると男の声で「電話きた?」と聞かれたのです。
電話口の声は息子と孫に似ていたので、息子と孫の名前を言って「どっちなの?」と聞くと、息子の名前を名乗ったので、息子からの電話だと信じてしまいました。
そして「どこからの電話を待っているの?」と聞くと、
「駅のトイレでカバンを置き引きされてしまった。携帯電話も一緒に盗まれたから、今会社の携帯から電話をしている。警察には自宅の電話をおしえてあるから、電話が掛かってきたら、これから言う番号に電話をして欲しい」
とすすり泣きしながら電話番号を伝えてきたのです。
電話を切ってから30分くらい経った時、東京駅の遺失物係を名乗る男から、
「息子さんのカバンが拾われているので、息子さんに取りに来るよう、伝えて下さい。本人確認のため、落とした人の名前や生年月日、あなたの住所や家族について答えて下さい」
と言われ、カバンを返すのに必要だと思い、特に疑問に感じることもなく、私や息子の住所、氏名、生年月日、私が一人暮らしであることや私の携帯電話番号などまでも聞かれるままに答えてしまったのです。
そして、私は男に教えられた番号に電話を掛け、東京駅にカバンが届いていることを伝えたのです。
男は「助かったー、これからいそいで取りに行くよ」と嬉しそうな声で言っていたので私も「よかったね」とホッと胸をなでおろしました。
ところが男に電話をしてから1時間くらい経った時「カバンを取りに行ったら500万円の小切手がなくなっていた。
お金は今日必要なんだけど小切手は再発行に数日かかるから
お金を貸してほしい」と泣きながらお金を無心する電話が掛かってきたのです。
私はこの時「ちょっと話がおかしいな」とおもったのですが、上司を名乗る男が電話を代わり、
「息子さんは仕事をよくやってくれています。ただ、今日どうしても500万円は支払わなくてはならない。とりあえず私も220万円銀行から下ろしました。今日中にお金を支払わないと息子さんは大変なことになります」
息子は会社をクビになるかもしれないと思い、
「明日にはお返しするので残りの280万円の都合を付けて下さい」
と強く言われたのです。
わたしは「息子は今回の失敗で会社をクビになるかもしれない」と思い込み、半ば押し切られる感じで280万円を貸す約束をしてしまったのです。
上司を名乗る男は「最近、銀行では大金をすぐに引き下ろせないので、クルマを購入すると言うといいですよ」とアドバイスをしてきました。
もうこの時は詐欺グループの巧妙な罠に掛かってしまい、完全に操られている状態でした。
私は急いで銀行に行ってお金を下ろすと、男に電話を掛けたのです。
道路上で男にお金を渡してしまったのです。
男は「○○駅まで来て欲しい」などと、次々と指示を出し、私はその通りに動きました。
午後2時20分ころ、道路上で声を掛けてきた男に大切なお金を渡してしまったのです。
今回、被害に遭ってしまった理由は「電話なかった?」などと突然電話口で言われたため、無意識のうちに息子の名前を言ってしまったことです。
自分が振り込め詐欺の被害に遭うと思っている人は少ないと思いますが、一度息子だと信用してしまうと、東京駅の職員を名乗る男や息子の上司を名乗る男の言うことも完全に鵜吞みにしてしまい、質問に答え、言われた通りにお金を下ろし、渡してしまうのだということが分かり、振り込め詐欺は
誰もが被害者になり得る恐ろしい犯罪だと感じました。
今は自分の愚かさを反省し辛い思いをしていますが、騙されたお金は戻って来ません。
皆さんは振り込め詐欺に遭わないために「掛けてきた電話の本人に必ず電話確認をする」「一人で解決しない」「お金が絡む話には乗らない」ようにしてください。
被害者の体験記事(2)
女性、79歳
私は、突然刑事さんからの電話で、「あなたの口座が振り込め詐欺に使われています」と言われたので、その電話を全面的に信用してしまいました。
そして、家に来た銀行協会の人にキャッシュカードを渡してしまいお金を下されてしまいました。
皆さんは、警察から電話が来たらその言葉を信用しますか?
私の苦い経験をお話ししますので、警察官を名乗る詐欺に遭わないように注意して頂ければと思います。
昨年、あと2週間で新しい年を迎える日のお昼頃、自宅の電話が鳴りました。
電話に出てみると相手は、私の名前を言ってからこちらは○○警察署のものです。自分の身分は振り込め詐欺対策室の一班の○○巡査です。
キャッシュカードを取り替えないと、あなたにとってとても大事なことですから良く聞いてください。
あなたの口座がどうやら詐欺の者達に悪用されているようです。
あなたの口座が使われているからキャッシュカードを取り替えないとえらいことになります。
銀行協会で全国の銀行の手続きを出来るようになっているので、△△という者からそちらに電話させます。
△△から電話があったら、あなたの口座が振り込め詐欺に利用されたことと、今持っているカードを指紋登録したいので取り替えて下さいと必ず言って下さい。
と連絡してきたのです。
私は警察からの電話なので、その言葉を100パーセント信用しました。
だってそうじゃありませんか。
警察や市役所職員が噓をつくはずがないと思っているのですから。
その後、10分くらいして銀行協会の△△から電話がありました。
銀行協会の△△は、口座にお金はいくらありますか。
私の部下の□□と言う者が近くに行ってますので15分か
20分くらいで家に着くと思います。
その者にあなた名義のカードを渡してください。
新しい番号は何番にしますか? カードを渡したら必ず受領証を受け取ってください。
明日、必ずお届けに行きます。
と言ってきたので、私は二枚のキャッシュカードの暗証番号を教えてしまったのです。
それから30分くらいして□□と言う男の人が来て、私はキャッシュカードを二枚渡してしまいました。
その時、□□は受領証を置いて行きました。
私はキャッシュカードを渡した翌朝、「昨日のことは本当かしら?」と少し心配になったので、○○警察署に○○という警察官が本当にいるか問い合わせたら、そのような警察官はおらず、振り込め詐欺対策室はないと言われました。
振り込め詐欺の被害に遭ってキャッシュカードを二枚を騙し取られたのが、ここでようやく分かったのです。
そして、キャッシュカードを渡した日に、約60万円のお金が引き出されていることが分かりました。
全額下さられたわけではありませんが、警察に確認の電話を入れて、キャッシュカードの使用を止めてもらいました。
もし、警察に連絡が遅れたらお金を全部下ろされたかもしれないと思うと腰が抜ける思いがしました。
下されてしまった約60万円は、私にとって大事なお金ですが、いつまでも悔しさや自分を責めてもいけないと思い、ちょうど室内のリフォームを終えたばかりなので、この騙されたお金をリフォームに使ったと思うように早く忘れるようにしました。
振り込め詐欺については、交番の広報誌が月1回、回覧板で来ているので、その記事を読んだりテレビなどで知っています。
少し前には、最寄りの警察官が来てくれて、振り込め詐欺の話をして注意するよう声をかけていただきました。
私も振り込め詐欺なんかに騙されないと自信を持っていましたし、今まで、息子を騙した電話なんかも全くありませんでした。
私は、貯蓄が十分にあるわけではありませんし、少しばかりの貯蓄と年金で生きて行かなければなりません。
○警察や市役所から電話があっても、金銭に係わることは簡単に信用しない。
○相手が言ってきたことに対して、本当の警察や市役所に必ず確認の電話を入れる。
○警察官や銀行協会を騙す犯人の話は、本当に親切で何も疑いを持たせない言い方をしてきますが、実は極悪のグループであることを知っておく。
○息子からの電話でも、金銭に係わることは息子の今までの携帯電話に必ず電話をかけて確認する。
○私の家には、詐欺グループからの電話なんか来ないと思わない。いつか、電話がかかってくると思った方が良い。
被害者の体験記事(3)
女性 76歳、
一人暮らしの私を騙すなんて振り込め詐欺の犯人にお金を手渡した時、最初の電話があってから、一時間しか経っていませんでした。
昨年4月中旬の午後4時35分ころ、そろそろ夕ご飯の準備をしょうとしていると、自宅の電話が鳴ったのです。
電話に出ると、若い男の声で「もしもし、オレだけど」と話しかけてきたのです。
その声は孫の声に似ていたので「イワオなの?」と孫の名前を言うとそうだよ。イワオだよ。と答えたので孫からの電話だと信じてしまったのです。
この時は1〜2分雑談をして切りました。
電話を切ってから2〜3分すると、また男から電話があり、
「実は今の仕事をしながら会社のお金を上手く遣り繰りして、浄水器を購入して、会社にバレテしまいクビになるかもしれない。会社にすぐ100万円を返さないといけないから
貸してもらえないかなあ」
と言ってきたのです。
普段、孫は両親のことをパパ、ママと呼んでいるのに電話では、お父さん、お母さんと言っていたので「おかしいな」と
は思ったのですが、孫からの電話と信じていたのでお金を貸すことにしたのです。
男は「おばあちゃんの家の近くまでヨシダ課長に取りに行ってもらうから直接渡して欲しい。課長は事情を知らないので現金とは言わないで書類だと言って。郵便局の窓口はもう閉まっているし、ATMももうすぐ閉まる時間だからいそいでね」と言って電話を切ったのです。
この時の時刻は、午後5時ころだったので、慌てて近くにある郵便局のATMに行き、2回に分けて90万円を引き下ろし、来月旅行に行くために自宅にあった100万円を用意したのです。
午後5時半過ぎにまた男から電話があって、課長がおばあちゃんの家の近くまできているから、家を出て右に曲がった駐車場で待っていて欲しい。と言われ、現金と雑誌を封筒に入れて書類に見せかけ、駐車場に持って行ったのです。
そして、駐車場の前で5分くらい待っていると、フラフラと男が一人で歩いて来てヨシダです。イワオさんに頼まれ書類を取りに来ました」と話しかけてきたのです。
この時「課長が取りに来ると言っていたのに、この男の歩き方は会社員らしくないし、服装もだらしがないし、本当に課長なのかな?」と課長らしくない雰囲気に何とも言えない違和感を感じたので、お金を渡すのが心配になりました。
だけど、男を疑う気持ちよりも「孫を何とか助けてあげたい。と言う気持ちの方が強かったので、100万円の入った封筒を渡してしまったのです。
翌日、孫が仕事休みで自宅にいたのでお金を渡した話をすると「それはオレオレ詐欺だよ」と言われ、振り込め詐欺に引っ掛かってしまったことに気付いたのです。
アー、やっぱりあの男は偽物の課長だったんだ、と後悔したり、悔しさにやり切れなくなりました。
私は、旅行が大好きで、毎月、日本全国をあちこち旅行していたのですが、騙されてからは精神的に疲れ、またお金も節約しなくてはならないので、旅行に行くこともなくなり、誰とも話をしたくなくなって塞ぎこんでいました。
私は振り込め詐欺の手口を知っていたにもかかわらず、引っ掛かってしまいました。
犯罪は人の良心を逆手に取る
この犯罪は人の良心を逆手に取っているので、また電話が掛かってきて犯人と話をしてしまったら被害に遭ってしまうと思い、固定電話を解約し、携帯電話のみにしました。
皆さんも被害に遭わないように電話は留守番電話に設定し、相手が誰なのか分かってから受話器を取るようにして、被害に遭わないようにしてください。
被害者の体験記事(4)
女性、75歳
早く警察に連絡してよかった。
私は「市役所の健康保険課ですが!」の一言で完全に信用してしまいました。
私は振り込め詐欺の被害については、新聞やニュースで関心を持っている方だと思います。
過去にも同じような電話があったので今回で2回目となります。
1回目の電話は、孫を騙かたって「△△だけど」と言ってきました。
孫は普段私のこと「おばあちゃん」と言うので、この時点でおかしいと感じましたし、声も違っていたのですぐ見破ることができました。
また、私が現在入会しているサークルの女性会でも、この電話の前日にオレオレ詐欺のことが話題になっていて、注意していたので防げたのだと思います。
今回被害にあったのは還付金詐欺でした。
昨年、12月20日の午前11時ごろ、□□市役所です。と言う電話があり完全に信用してしまったことが始まりです。
私が電話に出た時、始めは相手は無言で何も言わなかったので、「はい」と言ったら相手の男性は名前は言いませんでしたが、
「□□市役所健康保険課です。○○さんですよね? 前に書類を送っているんですけど振込用紙が入っていませんでしたか? 期限は11月末なんですが」
と言ってきましたので、私は「確認してみます」と言ってすぐに電話を切ろうとしたとろ、男性はちょっと待ってください。あなたの携帯電話を教えてください。と言ってきました。
そして還付金として2万7千150円が返ってきます。
と言われたので、私は思いがけずお金が返ってくる、嬉しいと思いました。
この時、完全に男性の話を信用してしまっているので、お金が返ってくることだけが頭に残っていました。
相手の男性は「A銀行のB支店に行って下さい」と銀行を指定してきて、「20分以内に行けますか?」と言ってきたのです。
何でそんなに急がせるの? ちょっとおかしいな、とは思いました。
それから、「キャッシュカードと携帯電話を持って、A銀行に行って着いたら電話下さい」と言われました。
私がA銀行に着いた時、ATMの前には客が並んでいたのですが、少しすると客がいなくなり私一人になりました。
そうしたら、タイミングよく相手から電話が掛かってきました。
電話の内容は「○○さん、今A銀行にいますか? 50万円くらい残金がなければ返金できない」等と相手の男性はボソボソ言ってましたが、今思うと通帳にはいくら入っているか確かめたかったんだと思いました。
ATMで操作する中で一番おかしいと思ったのが私の銀行に振り込まなければならないのに、私の取引のない銀行名のボタンを押すよう指示してきたのでおかしいなと感じました。
また、私の銀行に入金するのに何で私が操作してるんだろうと、段々不安になってきました。
ATMの操作ではいろいろ数字を指示されていたと思いますが、不安になりながらもお金が返ってくると思っていたので、指示されたとおりボタンを押してしまいました。
ATMの操作が終わるとATMから私のキャッシュカードと
明細書が出てきたので確認したところ、
私の口座から100万円弱ほど送金されていたのです。
ここで初めて「やられた!」と思ったのです。
先ほどATMで私一人になった時、あまりにもタイミング良く私の携帯電話に相手から電話がかかってきているので、私は見張られているのかと急に怖くなり、直ぐに自宅に戻りました。
そして、家に着くなり警察に還付金詐欺に遭ったことを電話しました。
警察では送金したお金をストップしてくれて、元の口座に全額返金することができました。
早く気付いて対応してもらい助かりました。
還付金詐欺対策として次のことを考えています。
皆さんは、自分の家に還付金の詐欺グループから電話がかかってくることはないとは思わないで下さい。
そうすれば還付金詐欺は必ず防げます!
被害者の体験記事(5)
女性、65歳
振り込め詐欺 絶対許せません! 〜犯人、捕まえてもらいました〜
私は、高齢者から大金を騙しとるという振り込め詐欺の犯人を絶対に許すことはできないといつも思っています。
ところで、私の家は自営業でして夫をはじめ息子達は現場に行っているので、事務は私が担当しています。
家の電話には、仕事やら家族への電話がたくさんかかってきて、私が電話対応しています。
我が家は大家族で賑やかな方です。
おかしな内容の電話があれば、私が夕食の時などに、「今日、こんな電話があったんだよ。」等と話題にしています。
振り込め詐欺の電話は、以前から何度も家にかかってきており、息子の声と全然違っていたので、その都度、見破ることができました。
そして、「この次電話があったら警察に通報しよう」と待っていたのです。
遂に、昨年11月末の午前11時25分頃に振り込め詐欺の犯人から電話がかかってきました。
その男は「母ちゃん、もしもし、俺だけど」
と非通知で電話をかけてきました。
男は、
「大事な書類が入った鞄を落としてしまった。財布と携帯も入っていたんだ。交番に届けているから警察の忘れ物センターから電話が入るかもしれない」
と言って電話を切りました。
私は「来た来た」と思い、警察に直ぐに電話をしました。
すると、午後11時45分頃、また電話が掛かって、
「鞄の中には、700万円の小切手が入っていたんだ。上司や上司の奥さんも金策に動いているんだよねー! いくらか用意できないかなー?」
と言ってきたので、
「う〜ん、150万円くらいならできるかなー」
と言ってやりました。
私はこの時点で完全に噓を見破っていて、息子でもないこの犯人のために、お金を用意する気は毛頭ありませんでした。
警察に通報後、直ぐに刑事さんが駆けつけてくれたので、頼もしいし、心強いと感じました。
すると午後12時23分頃、また息子を名乗る男性から電話があり、
「上司と一緒にいるんだ。ちょっと代わるね」
と言い、上司の男性が電話に出ました。
上司の男性は、
「500万円は私の妻が用意しました。200万円足りないのですがお母さんに用意してもらうのは150万円で構いません。午後3時までに息子さんと、そちらに伺いますので用意しておいてください」
と言って来ましたが、私は、上司の声は息子を名乗っている男の声より若い感じがするし、上司って感じではないなー、と思いながらも、お金を用意することを伝えました。
この振り込め詐欺の犯人達は、何度も様子伺いの電話があり、今、家にいるの一人? と家族がいるのか確認する電話も掛かってきました。
しばらくすると、
「部下の○○という者が近くを回っているので取りに行かせます」
と電話があり、
「お金を取りに行った○○が家が分からないので、△△小学校の前まで来て欲しい」
と連絡してきました。
これが、振り込め詐欺の手口か。うまく考えたもんだなと騙されたふりをして△△小学校に行きました。
そして、お金を受け取りに来た○○に会って話をした後、刑事さんが捕まえてくれました。
被害者の体験記事(6)
女性、66歳
えっ! 私、騙されたの?
息子から「僕は、お母さんに電話してないよ」と言われた時、私は頭が真っ白になり腰が抜けてその場に崩れ落ちてしまいました。
昨年7月31日午前10時30分ころ、1本の電話が自宅に掛かってきたのです。
夫は仕事に行っており、家には私しか居ませんでした。
電話に出ると「もしもし、俺だよ母さん」と話しかけてきたのです。
電話口の声は、長男に似ていたので長男のマサオだと思い、特に疑うこともなく「マサオどうしたの?」と返事をすると昨日から咳が止まらないので、肺炎かもしれない。
熱も38度あるので病院で検査してきた。
熱でフラフラして携帯電話を病院のトイレにおとしたから、今修理に出していて携帯電話をレンタルしている。
電話番号は、080だから、登録しておいてね。
私は長男の体調が心配だったので「検査結果が分かったら連絡して」と言って電話を切り、
男が言った電話番号を自分の携帯電話に登録したのです。
その日の夜、8時ころ、また男から電話があり、
この時は夫が帰宅していたので夫が電話に出ました。
男は夫にも「熱があって体調が悪い」と話をした後、私も少し話をして電話を切りました。
夫は「マサオの声変だね。本当にマサオかな」
などと疑っていましたが、私が「あんた何言ってのよ! マサオは熱があって肺炎に掛かっているから声まで変になっているのに、そんなこともわからないの?」と長男を心配しない夫に言うと、夫は不服そうでしたがそれ以上話をしませんでした。
翌日午前9時ころ、男から3回目の電話が掛かってきました。
この時は私しか家におらず、電話に出ると、最初は体の具合がだいぶ良くなったと話していたのですが、
「実は、株を4万円から始めたんだけど、儲かっていたのでサラ金に借金をして投資していたら、株屋に逃げられて640万円の損害を出してしまった。今日中に借金を返済しないと利子が付くし、訴えられてムショ行きになってしまう。何とかならないかな?」
と言ってきたのです。
私は、「サラ金などから借金したら暴力団などに狙われる
かもしれないし、返済できなければ刑務所に入れられてしまう。何とかしなければ」と思い、大事な息子を助けるために、出来る限りお金を用意することにしたのです。
まず、A銀行に行き、夫の口座を全て解約して280万円を引き下ろすことにしました。
銀行からは、「お金の使い道」や「高額な支払いですが振り込みではないのですか」などと聞かれましたが、
「家のリフォーム代に使うの」
「知り合いの業者だから大丈夫! 急いでんのよ! 早くして!」
と、お金を下ろすために必死で噓を言ったのです。
この時、私は、息子を心配するあまりお金の使い道などを聞いてくる銀行の人が、お金を下ろすことを妨害する敵にしか見えなかったのです。
その後、2ヶ所の金融機関を回り、合計480万円を引き下ろし、男にお金が用意できたことを電話すると、
「今、弁護士と話していて離れられない。
お金は弁護士の秘書が取りに行くから、△△駅まできて」
と言ってきたので、△△駅までお金を届けに言ったのです。
午後2時ころ△駅に着くと、弁護士の秘書と名乗る誠実そうな男の人がやってきて「息子さんの代わりにお金をあずかりにきました。」と言い、持っていたビジネスバッグを開けたので、私は持ってきた現金を男のバッグにいれたのです。
お金を渡したとき、私の気持ちは「ああ良かった。これで息子が助かる」という思いでした。
夜になって夫が帰宅し「今日、こんな事があったよ」と話したら、夫は子供に電話をしてみたら」と言うので電話を入れてみました。
すると「僕は、お母さんに電話してないし、お金も借りてないよ」
と言われ、振り込め詐欺に遭ったことが分かったのです。
私は、民生委員の経験があり、振り込め詐欺の手口などはある程度知っていたので、振り込め詐欺には絶対に引っ掛からないと思っていました。
ところが、息子からの電話はいつになっても嬉しいものですし、息子の一大事に何とか力になってあげたいと思うと、疑うことよりも、どうすれば息子の力になってあげられるかということに頭がいってしまい、全く騙されたことに気付きませんでした。
今思えば、男と話して夫が「おかしい」と言ったとき、よく確認をすればよかったと思いますし、男の話には、
「株屋が逃げた」
「今日中に返済できなければ刑務所行きになる」
「刑務所行きになると言いながら、誰にも言わないでほしい」
と言うなど、辻褄が合わない話がいくつもありました。
振り込め詐欺は誰もが被害に遭う可能性があります。
振り込め詐欺を防ぐ方法は「家族に話をする」「金融機関の人などの話を聞く」など、第三者に相談することが大切です。
被害にあった後、自宅の電話は留守番電話に設定し、家族での合言葉を決めました。
被害者の体験記事(7)
女性、43歳
気づいた時には100万円が……
「なぜ、あの時、夫に相談しなかったんだろう」
今、私の気持ちは、騙されて悔しいと言う気持ちよりも、後悔の気持ちの方が勝っています。
振り込め詐欺は、テレビや新聞などに良く出ていたので知っているつもりでした。
しかし今考えてみると「私はまだ若いし、振り込め詐欺の電話が掛かってくることもなかったし、電話が掛かってきても
騙されないだろう」と、振り込め詐欺は他人事と考えており、危機意識が足りなかったんだと思います。
振り込め詐欺の犯人は、昨年9月中旬の午前10時15分ころ、
自宅の電話に義弟を名乗り電話を掛けてきました。
犯人の声は、義弟によく似ており、話口調までそっくりだったので、私は何の疑いもなく話を始めました。
この時は、
「電車で、仕事の契約書、預金通帳、携帯電話が入ったバックを無くしてしまった。携帯電話も入っていたので、見つかった時の連絡先は、私(被害者)の自宅にしてあるので、警察や駅の紛失物センターから電話があるかもしれない」
という内容で、お金を打診する話は一切ありませんでした。
その日の昼前までに何回かバックが届いたかを確認する電話がありました。午前11時55分ころ、
「今日午後2時半までに仕事の支払いがあるのでお金を貸してほしい」
と言われたのです。
義弟とは普段から仲が良く、今まで一度もお金の貸し借りなどしたことも無かったたし、兄嫁の私を頼って来ているので「何とか力になってあげたい」と思い、「100万円なら用意が出来る」と答えたのです。
義弟は、
「ありがとう。急いでお金を家に取りに行く。今隣に上司がいて、お礼を言いたいと言っているので上司にかわる」
と言うと、上司と名乗る男が電話口にでたのです。
上司を名乗る男は
「今回の件で、私も両親に200万円を立て替えてもらいました。最近は振り込め詐欺が多く発生しているみいたいで、銀行は両親が振り込め詐欺に遭っているのではないかと疑って、私に電話を掛けてきましたよ。病院の入院代などと言えば直ぐに下ろせると思いますが、怖い世の中ですね」
などとお金を下ろす時の理由を教えたのです。
この時、私は犯人に「振り込め詐欺になんか引っ掛かりませんよ」
などと笑いながら話をしました。
電話を切ると私は急いで近くの郵便局に行き、ATMと窓口で100万円を引き下ろし自宅に戻りました。
自宅に帰るとお昼頃、中野駅の遺失物センターから、
「バッグの落し物が届いています。本人以外はお渡しできないので、本人に取りに来るよう伝えてください」
との電話が掛かってきたので、義弟にバッグが届いた事とお金が用意出来たことを伝えたのです。
義弟は、
「遺失物センターには俺がバッグを取りに行かないといけないから、お金は他の人に取りに行ってもらうね。今日借りるお金は、明日上司と一緒に返しに行くよ」
と言ったので、私も「わかった」と了解したのです。
そして、自宅近くのコンビニエンスストアーの駐車場で
お金を取りにきた男に100万円を手渡したのです。
お金を取りに来た男は、チンピラ風の男でしたが全く疑いを持つことはありませんでした。
翌日、義弟がお金を返しに来るのを待っていましたが来なかったので、電話をしてみたところ、
「電話もしてないし、お金も借りてないよ」
と言われ、そこで初めて振り込め詐欺にあったことに気がついたのです。
私は、お金を相手に渡すまでの間、一度も疑うことはありませんでした。
今回騙されたことを反省してみると、
「なぜ義弟は自分の妻に連絡をしなかったのか」
「なぜ100万円もの大金を渡すのに夫に相談しなかったのか」
「なぜバッグを無くした時の連絡先が私の家の電話だったのか」
と疑問点がでてきました。
私は最初の電話で本当にの義弟と思ってしまったので、お金を渡すまで一つも疑いを持たなかったのです。
夫に打ち明けた時は「どうして連絡してくれないんだ」と言われてしまい、私は落ち込んでしまいましたが、夫の優しさで今は普通に生活することができています。
騙し取られたお金を稼ぐために働かなければならなくなりましたが、私の年で雇ってもらえる場所はなかなか無く、職探しに奔走する毎日です。
振り込め詐欺は、お金を騙し取るだけでなく、人の良心までも騙し取る卑劣な犯罪です。
被害者の体験記事(8)
女性、65歳
私は、長男と信じた男に大切なお金をだまし取られました。
今でも見事に騙されたことが悔しくて忘れることが出来ません。
私は主人と次男の三人で暮らしていて、長男は別居しています。
良い人との交際しかなく、人を信じる気持ちが強い方で、友人達には「あなたは人が良すぎて騙されやすい性格だから気をつけてね」とよく言われていました。
私は、世間で言う「振り込め詐欺」というのは、被害者が騙されて銀行などでお金を振り込んでしまうパターンしか知りませんでした。
私の場合は長男がお金に困っていて、本人が取りに来る。
この電話は決して振り込め詐欺ではないと思っていました。
私は、振り込め詐欺なんかで何で騙されるんだろうと不思議に思っていましたし、自分は絶対騙されることはないと思っていたのです。
夫も次男も仕事に出かけているので、日中はいつも私が自宅で家事をしています。
昨年の8月下旬ころ、家に電話がありました。
息子とは言わず、その男は「どこからか電話がかかってこなかった?」というようなことを言ったのです。
私は何故かこの男の人を長男だと思ってしまったのです。
少しして2回目の電話では食堂に部長のカバンを忘れた。
カバンの中には自分の携帯電話をいれていた。
その時、長男の声と少し違っているなと感じたので、そのことを言ったら、その男は、
「今、部長の携帯電話を借りて話しているから、声が変わって聞こえる」
と言ったのです。
私は他人の言うことを信じる性格なので、何の疑いも持たず
その言葉を信じて相手の男の人を長男だと思い込んだのです。
そして部長の電話番号をメモして、
「折り返しはこの電話にして」
と言ってきました。
今思えば、この時点で電話の男を本当の長男と信じ込ませて、本当の長男の携帯電話に連絡させないように、私をまんまと罠にひっかけたのです。
そして相手の男は、
「カバンのなかには、大事な契約書と会社のカードが入っていた。会社には言えない。今日中にお金と契約書が必要だ。今、部長が母親にお金を用立ててもらっている。部長ばっかりに迷惑をかけられないので、自分もなんとかしたい。お母さん、お金用意できる?」
と言ってきたのです。
私は、長男が大きな失敗して、とんでもないことになってしまっている。
もしかしたら会社をクビになってしまうかも知れない。
長男の人生が終わってしまうなどと悪いことばかりが頭の中をぐるぐる回りだしたのです。
そして、私自身がとんでもない災難に巻き込まれなかったかのような錯覚におちいったのです。
私が何としても長男を助けなければならないし、助けるなら今しかない。
お金を用立ててあげようという気持ちが強く起きたのです。
騙されているなんていう考えは微塵もありませんし、夫や次男に相談する余裕など全くありませんでした。
私は、5百万だったら用意できると長男だと信じた男に伝えました。
すると、部長という男の人が、
「お母さん、ご迷惑をかけてすみません。自宅まで、息子さんと二人で行きます」
と言ってきたのです。
長男と部長がお金を取りに来るというので、
更に何の疑いも持たず、早くお金を引き下ろしに銀行に行かなきゃと思ったのです。
犯罪に抵抗力のない純情なわたしのような年寄りを騙すなんて、彼らにとってお茶の子さいさいなんですね。
悔しい……銀行の窓口で、お金を降ろす時に女性職員二人から、
「今詐欺が流行っています。大丈夫ですか?」と聞かれ、さらに「チエックシート」でも確認されました。
その時、私は親切に声をかけてくれたことに嫌な思いはしていませんでしたが、今のご時世、大金を下ろすのも厳しいなという思いがしました。
私は、早くお金を下ろさないといけないという気持ちが強かったので、銀行員に、海外旅行に行きます。それに兄が倒れたので、少し用立ててあげます、と咄嗟に噓をいいました。
家に帰ってから、部長の携帯電話にお金を用意できたことを連絡しました。
部長を名乗る男は、
「息子さんは契約書を作成していて忙しくて受け取りに行けないから、代わりに別の者を取りに行かせます」
と言いました。
私は、この時にも変だなとは感じませんでした。
しばらくすると、長男を名乗る男からの電話で受け取る者が家が分からないので、近くの小学校の正門まで来てと連絡がありました。
私は、言われた小学校の正門に行くと男のひとが待っていたのでその人にお金を渡しました。
5百万という大金を渡した時には、これで長男が助かるんだ、母親としての務めを終えたんだと言う安堵感があました。
しかし、その日の夕方に本当の長男に電話をしたら、騙されてしまったことが分かったのです。
その瞬間、「アー騙された。どうしよう!」目の前が真っ暗になり息が出来なくなってしまいました。
警察に被害届を出しましたが、簡単には犯人は捕まりません。
そしてお金は戻って来ません。
騙し取られた5百万は7年に及ぶアルバイトでコツコツ貯めたお金です。
老後はこの5百万と年金を頼って何とか暮らしていこうとしたお金なのです。
お金がなくなった事で、老後の計画がすべて狂ってしまいました。
私の年齢で仕事を探そうとしてもなかなかありません。
辛くて、苦しくて夜も寝むれない日々が続き情緒不安定になりました。
そして、いっそのこと首を吊ろうかと一人で悩む日が続いたのです。
私が落ち込んでいる姿を見て、夫や長男、次男が気を遣ってくれたお陰で、心が落ち着いてきて、今は何とか普通の生活ができるようになりました。
家族の絆が私を救ってくれたと感謝しています。
今回のことで、振り込め詐欺から自己防衛するには、家に自分一人しかいない場合、まずは冷静になり一人で動かないこと。
家族に相談する事が大事だと思いました。
又、おかしな電話と気づくように、電話番号を表示する電話機に替えます。
電話番号を表示しない怪しい電話に出るつもりはありません。
「特殊詐欺」次はあなたがターゲットはこちら
引用文献
「特殊詐欺とは」警視庁ホームページ
「電話de詐欺」千葉県警察ホームページ
おわりに
変な電話は断る、と決めておく。
変わりはない? と普段から子供(息子)孫に詐欺が多いねと会話する努力も防止策に繋がります。
「一人で解決しない」「お金が絡む話には乗らない」ようにしてください。
振り込め詐欺は誰もが被害に遭う可能性があります。
振り込め詐欺を防ぐ方法は「家族に話をする」「金融機関の人などの話を聞く」など、第三者に相談することが大切です。
そして各自治体の購入費補助金を活用して「特殊詐欺撃退機器」を早めに取り付けて 自己防衛対策を立てて下さい。
筆者は千葉県内で「振り込み詐欺見張り隊」を販売してきた経験から「振り込み詐欺見張り隊」を自宅の固定電話に自分で取り付けました。
取り付けた後ハッキリと効果が出たので、それをすぐ被害にあった義理の姉の固定電話に取り付けました。
すると即日から今までかかってきた非通知の電話がピタリと止まりました。
それからはストレス障害で悩んでいた義理の姉も辛い表情が徐々に回復に向かい、今は元の生活が出来るようになりました。
皆さんが安心して暮らせて、これ以上の被害の出ない平和な町に戻って欲しいと願っております。
この本が「特殊詐欺撃退」に少しでもお役に立てば著者としてこの上ない喜びです。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
2023年4月吉日 安田喜雄
「特殊詐欺」次はあなたがターゲットはこちら
著者のプロフィール
安田喜雄(やすだ よしお)
宮城県出身。東京の会社に就職、その後、販売会社設立
1962年から2021年まで東京都と千葉県に在住
千葉県では「振り込み詐欺見張り隊」の販売
現在栃木県へ「移住」し、電子書籍の執筆活動を行っている。
著書に、
住宅を「早く高く売る」不動産会社の選び方(発売中)
アマゾン・キンドル出版
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「特殊詐欺」次はあなたがターゲットはこちら