明治維新から百五十年を記念して
林真理子のNHK大河ドラマ西郷どん
歴史学者磯田道史に勧められて
見事に書き上げた原作の
最高視聴率は15,5%
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国家会計税の使われ方
西郷は体格雄偉でいかにも英雄的風貌であるため、
全体に鷹揚で細かいことにとらわれず、
数値感覚はないように思われている。
明治中期、国立銀行を設立した渋沢栄一は
西郷のことを「大度量大見識の半面、財政面では極めて
細かいところに気づく人であった」と評している。
西郷は能筆で算盤が出来た人
西郷が青年のとき郡方書役となったのも、
能筆であり算盤が出来たからである。
地方の農村を巡回し、米の作付けや出来高などを
調査報告することが仕事であった。
政府の中で米の値段まで把握しているのは西郷ひとりであり、
また討幕にかかる資金を調達していたのも西郷であった。
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税を払う側の人の苦労を身にしみて知っている西郷は、
討幕ができ新政府を維持しているのも税が
もとになっているとわかっている。
それゆえ、税の出納・管理・予測はあだ
おろそかにすることはできなかった。
大久保にしても木戸にしても、藩の官僚(役人)
の延長でそのまま新政府の役人になっている。
西郷は年貢の軽減を代官所に願った
岩倉は公家であり、農民の苦労などわかりようがない。
独り西郷のみ、税を払う側の人間と間近に接し苦労が分かり、
年貢の軽減を農民のために代官所に願ったり、
奄美大島では年貢が払えないため役所に拘束されていた
島民十数人を代官と掛け合い解放させたりした。
弱きを助け強きをくじく、浪曲ではないが義侠の人である。
国の会計出納(金の出し入れ)の仕事はすべての制度の基本であって、
あらゆる事業はこれによって成り立ち、
国を治める上で最も要になるとであるから、慎重にしなければならない。
そのおおよその方法を申し述べるならば、
収入をはかって支出を抑えるという以外に手段はない。
一年の収入をもってすべての事業の制限を定めるものであって、
会計を管理する者が一身をかけて定めを守り、
定められた予算を超過させてはならない。
そうでなくして時の勢いにまかせ制限を緩慢にし、
支出を優先して考えそれにあわせて収入をはかる
ようなことをすれば、
結局国民に重税を課するほか方法はなくなるであろう。
もしそうなれば、たとえ事業は一時的に進むように見えても
国力が衰え傾いて、ついには救い難いことになるであろう。
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まとめ
西郷は、税を支払う側もわかる能筆で算盤が出来た人。
弱きを助ける役人に対し時には掛け合う任侠の人であった。
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