2013年ベストセラーランキング第一位
菊池寛賞受賞 書籍のご紹介をします。
希望を紙に書いてみましよう
書くことで寿命に身をゆだねて自然に逝きたい
「近藤先生はどうやって死にたいですか?」
「近藤先生ははどんなふうに亡くなりたいですか?病院がいいですか?自宅で?」
最近、取材を受けていて、そう聞かれたとき、ちょっとドギマギしました。
じつは僕自身も、自分の死に際のことを、そこまで具体的には考えていませんでした。
病院で、大勢の人に見られながら死ぬのはいやだな。選べるなら自宅の、
自分のベットで静かに逝きたい。
しかしそのとき、看取ってくれる人がいるのか。もしワイフに先立たれていたら。
年をとって、弱って、ひとりぼっちで死んでいくというのも、さみしいものだろうな。
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いろいろな思いがあたまを通りすぎました。自宅で人生をしまえる人は、
今の日本ではかなり少数派です。
自宅で亡くなる人・・・12・4%病院などの医療施設で亡くなる人・・・
80・8%老人ホームや介護老人保健施設で亡くなる人・・・
4・3%(2009,厚生労働省発表)電話で通報してから救急車が現場に到着するまでの時間・・・
平均約8分通報から医療機関に収容するまでの時間・・・平均約36分(2009,総務省発表)
そのへんで倒れてもほっとくように。
そばによるな」。これは、家族にわたしてある僕のエンディングノートの要旨。
「ポックリ死にたい」願望が強いのでそう書いたんですが、
外で倒れたら救急病院に連れ込まれてしまいます。
脳出血なら医者は脳を開き血管にクリップをかけて出血をとめ、血のかたまりを除きます。
心筋梗塞なら心臓の血管に細い管を入れて、詰まっている血を薬で溶かします。
自力で呼吸できなくなっていれば、気管にに管を入れて人工呼吸器につなぎます。
今の日本ではそういった高度な治療の数々を施されて、そう簡単にはポックリ死ねません。
そしてかなりの確率で、半身不随などの重い後遺症を抱えます。リハビリはしんどいし、
チューブや人工呼吸器につながれてがれて逝くなんてまっぴらだ。
寿命に身をゆだねて、自然に逝きたい。この人間として当たり前の願いを、
今はなかなかかなえてもらえません。
引用文献
第60回菊池寛賞受賞者
2013年ベストセラーランキング第一位
医者に殺されない47の心得
医療と遠ざけて、元気に、長生きする方法
著者 近藤 誠
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