ペット愛好者とのつながり
社会とつながるのはそれほど難しいことではありません。
私が横浜の住宅地に耐えられなくて、
東京の下町に越してきたときに一番先に
「ほっ」としたのは犬を連れて、
すぐ近くの隅田川の公園通りの散歩をしたときのことでした。
見知らずのきれいな女性から「こんにちは」と、
笑顔であいさつされたのです。
私はミニチュアダックスフンドを連れていたのですが、
先方もその犬を連れていました。
私は思わず、顔がほころんで「こんにちは」と返しました。
それから毎日、その犬のお母さんとはあいさつするようになり、
散歩が楽しくなったのです。
若い異性にあいされるとうれしいものです
人間、いつになっても若い異性にあいされるとうれしいものです。
これはワンちゃんのおかげなのです。
それからというもの、毎朝晩、隅田川散歩は
欠かしていませんが、さまざまな犬仲間ができて、
あいさつしたり、犬の話をして癒されてきました。
不思議なもので、「犬を連れている人は仲間だ」
と考えるようです。
今では面白いことに、午後の3時ごろになると
隅田川テラスに腰をかけて、いろいろな人が
世間話に花を咲かせています。
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犬を連れていないお年寄りも毎日通って、世間話に加わっています。
人と犬とのかかわりは癒しという点で切っても切れないものです。
団塊世代が孤独を避けるのには一番効果的な組合せです。
ただ、犬を飼うにはそれなりのルールもあります。
まずはリードを必ずつけて散歩すること、
糞の始末を必ずおこなうこと、大型犬の散歩は、
ほかの人に迷惑をかけないように気を使うなどのことです。
文教大学情報学部の社会調査の「ペットによる効果」では、
ペットの愛好者のほうが非愛好者より人付き合いがよい、
という結果が出ています。
人のつながりへと発展するきっかけは多くなっているはずです。
ただ、ペットを飼っている人がすべて素晴らしい、
という決めつけはできません。
飼っていない人でもフレンドリーな人はたくさんいるし、
何らかの事情で飼えない人もいます。
見知らぬ人との出会いは、なにかのきっかけがあることで、
よりスムーズになることは確かです。
特に、無機質的な都会生活ではなおさらのことです。
その意味で小動物は大きな役目を果たしています。
引用文献
61才から始める 老いても枯れない生き方
著者 日向野 利治
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