「病気上手の死に下手」という奴でしょうか。
私は72歳になった今も、弱くなるどころか、逆にピンピンしてきています。
若いときの病弱はどこかへ行ってしまいました。
私の基本的な健康や病気への考え方は、病気になってもがっかりしないで、
きちんと手当てを受けるということです。
病気になったのは「あなた、働きすぎ、疲れすぎですよ」という信号と思うようにしています。
早めに治療したほうが、あとで苦しまなくて済むのです。
投薬にしても少なく飲んで回復するし、手術でも臓器を大きく痛めることはないのです。
それは、私の大きな反省からきています。
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長い間、便がおかしいのを放置して、ある日の朝、山中湖の別荘で突然、
胃腸あたりが痛みだし、必死の思いで横浜に帰り、休日診療に飛び込んだら、
「これは胆のうの病いだ」と言われ、大病院に直行し、そのまま入院しました。
「胆のうに石ができている」という生易しいものではなく、胆のう自体が腐っていたのです。
よくもそこまで放置しておいたもので、私は妻の運転席のわきで、
この世のものとは思えないような「七転八倒」の苦しみを体験しながら、
家路についていました。
このような不甲斐ない夫を運ぶ妻はもっと大変だったに違いありません。
地元の大病院に入ったものの、化膿がひどくすぐに手術はできない状態でした。
痛み止めはもはや、モルヒネしか効かないほどで、11日間点滴だけの治療をうけたあとで、
ようやく手術可能となり、「胆のう全摘」が行なわれました。
私の病気への無関心から招いたことです。体への無関心や自信過剰は大事に至り、
自分を苦しめるのはもちろん、いのちにもかかわりますし、家族にも迷惑がかかります。
だからあなたにはぜひ、体の変調にはくれぐれも敏感になってほしいのです。
引用文献
61才から始める 老いても枯れない生き方
著者 日向野 利治
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