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医者が目指すもの
医学は、患者さんが貴重な体験を教えてくれ、そんな事例が膨大に
積み重なって発展している学問です。
したがって、まずは患者さんを治すこと、その次に学問というのが
順当な考えだと思います。
その名が体を表すように、今の現代医療の仕組みは患者さんの視点から
作られているわけではなく、医療者、つまり医者の視点から作られているのです。
それが証拠に、診察はまるで取り調べのようです。
しかしも待たされるのはいつも患者さんの方です。
医者や看護師はどことなく命令口調です。病院は殺風景で、
病室は収容所のようです。病院食は冷たく、まるで餌のようです。
入院の日程、検査や手術の日程も、なんだかんだと言いながら、
決定権を持っているのは結局は病院の方です。
口では患者さん中心の医療と言っても、行動が伴わなければ、
それは単なる絵に描いた餅です。
日本の医療システムを決める重要な審議会にも、患者さんの生の声が
反映されることはほとんどありません。
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悪名高き「殺生なくじびき試験」を皆さんはご存知でしょうか。
ガン患者さんを対象に、治療薬の効果を調べる試験をします。
そのときにガン患者さんはくじを引いて2つのグループに分けられます。
1つのグループには効果が期待できそうな新薬が、もう1つのグループには
あまり効果が期待できそうにない旧薬が投与されます。
ただし、本人にはどちらが投与されているかは明かされていません。
それで、数ヵ月です。しかも試験の間は、
たいていはほかの治療をストップするのが原則です。
僕に言わせれば、これほど非人道的な試験はありません。
旧薬を投与された患者さんは少なくとも数ヵ月間、
あまり期待できない治療を施されるだけなのです。
まさに、蛇の生殺しさながらです。医者の言い分はこうです。
「同時に2つ以上の治療が並行してしまっては、
どちらが効いたかわからないので、ほかの治療はストップしてもらいます」
「では、旧薬のくじをひいた患者さんは、数ヵ月も無治療のまま
になってしまいますが、いささかも良心が痛まないのでしょうか?」
「それが学問というものでしょう。少々の犠牲を覚悟の上で学問を
すすめなければ、医学の進歩は望めないし、未来の患者はすくえませんよ」
そんなことの前に、まずは目の前の患者やろが!
と僕は言いたくなるのです。
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読者に感銘を与えたベストセラー
これは「9割の病気は自分で治せる」の引用文献です。
著者 岡本 裕 医学博士