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薬はせいぜい3~4種類迄です
薬の処方はせいぜい3種類、多くて4種類まで。これは僕が
医学生のころ、薬理の教授から教わったことです。
ずいぶん前の話ですが、非常に納得して、今も遵守しています。
常識的な感覚でも、これは納得のいく話だと思います。
乱暴なたとえで恐縮ですが、味付けに、塩と砂糖と醬油を入れたら、
それくらいでほぼ味見は限界になるのではないでしょうか。
あと何かを追加するにしても、せいぜい1種類。それ以上になると、
元の味も、個々の味もわからなくなってしまいます。
このような例をその教授は挙げられたと記憶していますが、
そのあたりは少し曖昧です。
いずれにしても、化学反応物質を同時に何種類も体内に入れてしまえば、
どんな反応を引き起こすのか?
誰も試したことがありませんので、まったく予測不可能という
怖いことになってしまいます。
もしかしたら、処方されて服用しはじめる皆さんが
はじめての実験台かもしれないのです。
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このような事情もあって、基本的に僕はできうる限り薬を
処方しませんし、自分でも服用することはめったにありません。
ただ、患者さんは薬の処方を期待します。診察を終えて、
じゃ、もういいですよ、と言うと、決まったように、えっ、
薬はもらえないのですか?と、不服そうな声が返ってきます。
その度に、くすりはもらえないのですか?そもそも毒なのです、
すべての薬には副作用があります、今まで大丈夫だった薬でも、
ある日突然激しいアレルギー反応を引き起こすこともあります。
など、薬が怖いと言う話をすることになるのですが、納得いただけない方も
少なくありません。納得いただけない方の決まり文句は、
「前にかかっていた先生は、もっと親切に薬を出してくれたのに・・・」です。
そうこられると、非常につらいものがあるのです。
気を付けて観察してみると、薬を気前よく処方するだけでなく、
自分でもけっこう薬をのんでいる医者が多いのには驚かされます。
やはり、薬は毒物です。仮に服用するにしても、
基本的には期間限定で慎重に服用すべきだと僕は考えます。
医者であれば誰でも、自分が投薬したために患者さんが
死にかけてしまったという肝を冷やすような経験は1度や
2度くらいでは済まないと思います。
それなのになぜ?と問いかけたくなってしまいます。
特にお年寄りの場合、眠れない、膝が痛い、腰が痛い、食が進まない・・・と
愁訴が次々に現れてくる傾向にあります。
優しい先生方は、その都度、薬を処方して足していきます。
そして気が付いてみれば、なんと10種類にも20種類にもなっていて、
その薬を飲むだけでお腹イッパイで栄養失調になってしまったという、
まるで笑い話のようなことが現実に起こってくるのです。
薬は確実に自己治癒力を損ね、寿命を縮めます。
服用はごくごく必要最低限にとどめ、
あとは自己治癒力を信じてあげてはいかがでしょうか。
安易に薬を出す医者も悪いのですが、安易に薬を
ほしがる患者も悪いと思います。
そしてもっと悪いのは、安易に薬を作る製薬会社と、
そこに天下る役人たちではないでしょうか。
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著者 岡本 裕 医学博士