小湊鉄道月崎駅からチバニアンまでの案内図
⇒https://goo.gl/maps/NgP84FD1ArLJymuGA
千葉とイタリアで命名争いの結果 千葉に決まる。
普通の時代とは別地層による時代区分
「千葉時代って?」
たとえば日本史でいう時代は、縄文時代、弥生時代、鎌倉時代・・・
昭和、平成と環境変化や政治体制の変化で区分していたのでは
なかったです。
そこに千葉とは、なぜ?
じつは時代には、まったく別の考え方がありまして
地球の誕生は約46億年前のことなのです。
文明が誕生する前にも地球はあったのです。
しかし、当時を記述した書などはなかったのです。
ところが、それを伝えてくれる地球の恵みがあったのです。
それが地層なのです。
小湊鉄道月崎駅
筑波大学岡田誠教授
地質年代という時代のとらえ方
地層は、古代から綿々と岩や土などが堆積してできる
地殻変動などで曲がったり圧縮されたりした、
いわば地球史のバームクーヘン状のものなのです。
地層のなかには、地球に起こった環境変化などの「歴史」を
ひも解く手がかりが眠っているのです。
このように、地層を読み解いて、時代の環境を理解し解釈するのが
地質年代という時代のとらえ方なのです。
そしてこの地質年代に、千葉の名が登場したのです。
ラテン語で「千葉の時代」を意味する「チバニアン」です。
なお、年代名は、国際地質科学連合が、その年代の境界を示す
地層を世界で1ヶ所選定して選ばれた側の研究チームが地名に
由来して命名するのです。
地質年代に日本の地名は皆無で、そもそも地質年代の名前が
地中海沿岸地域以外の場所となるのは極めて異例なのです。
チバニアン現地に急ぐ参加者
約77万年前に起きた地磁気の逆転って?
地球誕生からの地質年代は、先カンブリア時代、約5・4億年前からの古生代、
約2・5億年前からの中生代、恐竜の絶滅で知られる約6600万年前からの
新時代という流れになっています。
これを細分化すると、古生代は6つ、中生代は三畳紀、ジュラ紀、白亜紀という
3つに区分されています。
そして新生代は、古第三紀→新第三紀を経て現在を含む第四紀となります。
第四紀を細かく見ると、約258万年~1・2万年前が更新世で、更新世はさらに
ジュラシアンとカラブリアンの前期、名前のない中期と後期の3つに分かれて
いますが、その1区分の時期に千葉の出番があったのです。
前期と中期の境目は約78万年前と考えられていましたが、国立極地研究所と
茨城大学などの研究グループは、1万年遅い約77万年前とする研究成果を
発表したのです。
恐竜絶滅の白亜紀と古第三紀境界の年代など、さまざまな
地質年代の修正案につながる可能性もあるということです。
では、どうして何を手掛かりに77万年前とわかったのか?
興味がわきます。
茨城大学岡田誠教授
岡田誠教授 地層痕跡を調査しているところの写真
ズバリ、それは地磁気逆転という現象です。
房総丘陵だからこそ見つけられた痕跡
地球を磁石に見立てると、方位磁石がNを指す方向(北極)が
磁石のS極で、逆の南極がN極となる。
このS極でN極の逆転現象を地磁気逆転という。
原因はわかっていないが、約360何年前から現在までに
少なくとも11回起きていると考えられているのです。
地磁気逆転は、逆転の過渡期に地球の磁力線が弱まり、
宇宙からの放射線などの影響を受けやすくなるとみられています。
その痕跡は、当時降り積もった海底の堆積物や溶岩にしっかりと
刻まれているのです。
それが、千葉県は市原市田渕、養老川の河岸に露出する地層
「千葉セッション」で見つかったのです。
地層中にある「白尾火山灰」とよばれる火山灰層を大量に
採取して、そこに含まれていた鉱物(ジルコン)を高精度な
手法で分析した結果、誤差を含めても地磁気逆転が約77万年前
だということが分かったのです。
茨城大学岡田誠教授
じつに壮大な話ですが、この研究成果を可能にしたのは、
ほかでもない房総半島だ。太古は海底にあり、
その後の激しい隆起によって生まれた房総丘陵という
場所だからこそ痕跡が露出していたのです。
研究グループは、この地層を約77万年前の地球の特徴を
もっともよく表す「国際標準模式地」としての登録をめざして、
国際地質科学連合へ申請したのです。
ライバルのイタリアと命名権を争うが、茨城大学の岡田誠教授は
「千葉の地層は、イタリアに比べて磁場の逆転を裏付ける鉱物などの資料がそろっている点がすぐれている」と語っています。
月崎駅は国の有形文化財:駅開業(大正15年)9月1日
私はチバニアン地磁気逆転地層見学会に参加して月崎駅に降りて
率直にだいぶ年数が経っている駅だなあと感じたました。
小湊鉄道月崎駅本屋とプラットフォームは国の登録有形文化財に
登録されている。ことが後でその歴史が分かりましたので
記事にしました。
月崎駅風景写真
月崎駅の住所:〒290-0547千葉県市原市月崎539
月崎駅TEL:0436-21-6771
月崎駅開業:1926年(大正15年)9月1日
引用文献
地図で楽しむすごい千葉
著者 都道府県研究会