明治維新から百五十年を記念して
林真理子のNHK大河ドラマ西郷どん
歴史学者磯田道史に勧められて
見事に書き上げた原作の
最高視聴率は15,5%
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人の生きる道
人は人の道を生きる。人間が根本に志すものであり、
人間が他の動物と違うところである。
人は人としての生き方を志す。
人類の歴史の中で、ときおりキリスト、釈迦、孔子といった
偉大な人類の師が人の人としての生き方を教え示した。
また数多くの哲学者や思想家が出現し、
人の人としての生き方を探求した。
人が人として生きる道、
その道を西郷は探求しようとしたのである。
そのための最初の教科書は朱子の「近思録」であった。
最初とて最初から強い思いがあったわけではなく、
立派な人になりたい、強い人になりたい、
潔い人になりたいなど当時の薩摩武士としての憧れから始まった。
藩主重豪の時代、目付・秩父太郎は、領民が藩の経済政策の
犠牲となり塗炭の苦しみの中にあることを藩主に直言した。
そのため秩父太郎は職を失い生活は困窮したが、
晴耕雨読を常とし清節剛毅さを失わなかったという。
西郷は、秩父太郎の直言する
勇気と見事なまでの身の処し方に感嘆し、
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愛読書が「近思録」であったということを知り、
自ら提案して「近思録」の共同研究を大久保正助、
吉井友実、伊地知正治、有村俊斎らと行ったのである。
青年時代の西郷は郡方書役として税を取り立てる側
青年時代の西郷は郡方書役として約十年間農政や民生の
現場にいて、重税にあえぐ農民の姿を目の当たりに
していた。
人一倍情愛が深く正義感の強い西郷は、農民の窮状を見て
何とかしてあげられないものかと思ったであろう。
しかし、そう思う自分自身は税を取り立てる側の役人である。
しかも自身を含め藩主以下藩は農民から取り立てた税で
成り立っている。現代でもそうであるが税は取るものであり、
取った税は取った側のものであると思っている。
納税者の苦労や痛みは理解しようとしない。ましてや江戸時代の
徴税である。取り立ては苛酷さを極めたであろう。
西郷は、見て見ぬふりができずに純粋で愛情が深く
正義感が強いだけに、これらのことへの身の処し方
に思い悩んだことだろう。
自分の信じる正義とはなんであろうか。
この時にであったのが「近思録」であった。
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まとめ
最初は朱子の「近思録」から人の人としての生き方
その道を西郷は探求しようとした。
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