金の無心は心を強くして断ることです。
晩節を汚す」。いかに貧してもそれだけはやめるようにしましょう。
この歳になって、昔の知り合いから連絡があって一番つらいのは
「お金を貸してくれないか」というものです。
それも家を抵当に取られて、住むところがない、入居の一時金もない、
事業資金がないので貸してほしいというのから、
株価が倍になるので買ってくれないか、などさまざまです。
赤の他人になぜ、この歳になってお金を用立てしなければならないのでしょうか。
私もすこし前までは身内にはある程度用立てしましたが、
年金暮らしの今は、娘が急に結婚すると言い出しても、
用意することができなかったほど金銭能力がありません。
ないものはないので仕方がないのですが、だからと言って
高利のお金に手を出したり、他人に貸してくれとは言えません。
老いてきたらは地道な生き方をしなければならないのです。
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「お金がないから貸してくれ!」というのは、ある意味では
「甘え」であり、他人の懐を当てにしているのであって、
晩年にこのよな言葉を発してはならないのです。
ましてや誰かをだますとか、やましい商売に手を貸して
お金を儲けようというようなことは厳禁です。
中国では春秋時代の老子道徳教経」のなかで、
世の中でやりたいことをやったら、そのあとは欲を出さないで
世の人々の邪魔にならないように生きようということで
「晩節を汚す」ことを戒めています。
地位の高い人がこれを犯せば今までの頑張りは水の泡になりますので、
誰であれ、老いてきたら謙虚に生きるのが一番なのです。
断る勇気が後で困らない一番の方法
「断る」というのは、ある意味では言いずらい、
決断がいることですが、晩年になってさしたる余裕もないのに
(あったとしても・・・)他人からの申し出で
お金を貸すのはいいことではありません。
自分の老後の資金を減らすのはもちろん、
借りた相手はさして感謝はしていないのが一般的です。
借金癖がつき、急場しのぎでサラ金で借りまくり、
ほかでは借りられなくなったのであなたに言ってくるのですから。
それで、あとで催促しても返ってはこないし、
逆に逆恨みされて殺された事件は数え切れないほどあります。
「断る」ことがある意味、親切なのです。
引用文献
61才から始める 老いても枯れない生き方
著者 日向野 利治
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