2013年ベストセラーランキング第一位
菊池寛賞受賞 書籍のご紹介をします。
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患者さんの体験には
「この方法で体調がよくなったから有効」というのもよくありますが、
これは「偽薬効果」が疑われます。
医者から自信ありげに「効きますよ」と小麦粉などのニセ薬をわたされれると、
頭痛や不眠に悩む患者の3割程度が「効いた」と感じる。
そんな結果が、どの実験でも出ています。医者が本まで書いて「これでガンを治す」と
断言しているからですから、偽薬効果はかなり高いでしょう。
調子が良くなったのは、それまでの治療法をやめたおかげかもしれません。
たとえば丸山ワクチンは、体調が良くなることで有名です。開発者の丸山氏は
受信した患者に「今までの治療をきっぱりやめなさい」と指導していたそうです。
患者の多くは、副作用の強い抗ガン剤を続けてきたはずですから、
調子が良くなって長生きしたのは、抗ガン剤をやめた効果が
いちばん大きかったのではないでしょうか。
「医師に余命半年と言われたのに、何年も生きているから有効」という
エピソードもよくありますが、僕は「余命半年」と告知された進行ガンを放置して
3年、5年あるいは10年と長生きした患者さんを、何人もの知っています。
「免疫療法」にもご注意を
どの方法も延命効果さえ証明されていないのに、けっこうなお金をとります。
プロポリス、メシマコブなどは、医者の言うとおりに飲むと月に20万円以上かかるのはザラ。
健康保険を使えば数千円の自己負担ですむ検査を自由診療にして、
1回10万円単位の請求書をする医者がいるかと思えば、最高金額では、
ある国立大学教授が宣伝していた療法で「ワンクール2千万円」というのも、
かって耳にしました。
大金を払って、命を縮める患者さんも、数多くいます。
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血液のガンは固形ガンと違って抗がん剤が効くのに「自然治癒力を高める療法」に
賭けて亡くなった患者さん。僕に内緒で薬木の煎じ薬を飲み続けていて、
急に全身の皮膚がズルリとむけて悶死した患者さんもいました。
漢方薬はよく「ガンに効く」と言われますが、漢方薬メーカー、
津村順天堂の薬理研究所所長をつとめた細谷英吉氏は著書「漢方の科学」(講談社)で、
ガンを治す漢方薬はありません」と20年前に明言し、今もこの説は覆されていません。
また、「免疫」と名のつくガン療法には根本的な矛盾があります。
よく人間の体内には1日約5千個のガン細胞が生まれるのが、
免疫細胞がつぶしてくれている」と説明されます。
外から入ってくる、インフルエンザウイルスのような「異物」なら、
確かに免疫細胞はキャッチして排除します。
しかし、ガン細胞は、体内の正常細胞がちょっと変わったもの、
体内のタンパク質を使って育ってきた「自分自身」だから、
免疫細胞には異物と認識できない。免疫療法は矛盾療法です。
引用文献
第60回菊池寛賞受賞者
2013年ベストセラーランキング第一位
医者に殺されない47の心得
医療と遠ざけて、元気に、長生きする方法
著者 近藤 誠
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