痛みは、モルヒネを正しく使えば、安全に長生き、中毒の心配はない

 

今回は私が読んで衝撃を受けた

2013年ベストセラーランキング第一位

菊池寛賞受賞 書籍のご紹介をします。

 

 

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モルヒネは正しく使えば、中毒にならない

 

死の恐怖とともに「痛みの恐怖」はとても大きいですね。逆に痛みをうまく
コントロールできることがわかっていれば、心穏やかに旅立てるかもしれません。

 

死のまぎわにそうとう痛む、代表的な症状は、骨にガンの転移が出たとき。

 

転移したガンが増殖して、ガンのかたまりが大きくなると、骨膜を内部から押し広げます。

 

そのときに、何らかの化学的な物質が出るのか、単に膜が引きのばされる痛みなのか、
ともかく、ひどく痛む。しかしこわがることはありません。

 

痛みを取る方法が、きちんと確立しています。第一の法方法は鎮痛剤です。

 

まず非麻薬系の鎮痛剤を、口から飲みます。

 

それで痛みが取れなければ、第二段階としてモルヒネを、内服か座薬の形で使います。

 

それでもダメなら第三段階としてモルヒネを、内服か座薬の形で使います。

 

 

 

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ここでしっかり覚えておいてほしいのは「モルヒネは正しく使えば、
中毒になったり、死期を早めたりする心配はない」ということです。

 

中毒や依存症になる危険があるのは、1回ごとに注射する方式でモルヒネを使ったときです。

 

注射だと、血中濃度が急上昇したときに脳が反応して
気持ちよくなる。それでやめられなくなるわけです。

 

第一次世界大戦、第二次世界大戦では、負傷した兵士たちに大量に
モルヒネ注射が用いていたので、終戦後も長くモルヒネ依存症に
苦しむ人が続出しました。

 

それが今だに尾を引いているのか、テレビドラマなどで、
医師が「モルヒネ中毒になるかもしれない」「死期を早めるかもしれない」
などと語る場面が出てくるのは、困ったものです。

 

その点、内服や座薬、また点滴の形ならモルヒネの血中濃度はジワジワ上がり、
上限があるので、中毒の心配はまったくありません。

 

痛みが取れれば体力も気力も回復して、長生きできます。

 

ただし、モルヒネは安全になったとはいえ、便秘や吐き気などの
副作用が出ることはあります。

 

その場合、副作用を軽くする薬を併用しなければならず、毎日数回、
決まった時間に使用しなければならないわずらしさもあります。

 

また代表的なモルヒネ、MSコチンン錠の30ミリグラム錠を1日に2錠飲んだとして、
1か月で4万2千円(患者負担分も含めて病院に支払われる金額。以下も同じ)、

 

1年で51万円になります。中には1日に数十錠も使う人もいるので、
一生使い続けるとなると、社会的負担は非常に大きくなります。

 

 

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引用文献

第60回菊池寛賞受賞者

2013年ベストセラーランキング第一位

医者に殺されない47の心得
医療と遠ざけて、元気に、長生きする方法

著者  近藤 誠

 

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