遺言の大切な役目はここ
「葬式無用の長物 戒名不用」という遺言書を残して有名なのは、
吉田茂の側近として活躍した白洲次郎です。
実に、単純にして明快な遺言ですね。
でも、これだけでは、本来の遺言の役目は果たせないかもしれません。
歳を重ねて、配偶者、子供や孫など大切な人たちを持つ私たちは、
最後の仕事として「遺言」を書かなければなりません。
これは絶対に必要です。
そのために、最近は遺言用の本やノートが売れています。
あとで家族に争いの種を残さないためにも必須の仕事です。
「遺言」という言葉を聞くと「縁起でもない」という反応を示す人が多くいます。
「まだまだ、生きるのだから、今、遺言を書く必要はない」という感覚です。
「遺言の主な内容は<資産の分配>に関んすることであり、
子供と配偶者だけならば、民法で決められた方法で黙っていても
相続が行われるのだから問題はない」このように考えてしまいます。
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しかし、相続争いは被相続人に関係なく起こるのです。
これを避けるためにあなたの「優しさ」を表す最後の仕事です。
「争いなどおきない・・・」というのはあなたの願いだけのものです。
親が亡くなったら、今まで仲良かったこどもたちが相続権争いをはじめ、
ついには裁判まで行く例はいくらでもあります。
「財産などあまりないから問題ない」そうではないのです。
相続争いで一番多いのは、100万円から300万円という
少額の資産を残した場合のようです。
「どうせもらえるならば、すこしでも多くもらおう」このような
考え方が起こってくるのです。
遺産が少ないということは、あなたが生きているときは、
それほど裕福ではなく、贈与もしていないはずです。
ですから、残された100万円は、「このとき」とばかりに、
できるだけ有利にもらおうという気持ちが働きます。
案外多いのは「兄弟が張り合っている」、「思いのほか仲が悪い」
ということなのです。
引用文献
61才から始める 老いても枯れない生き方
著者 日向野 利治
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